前回に引き続き、屋根や外壁以外で塗装をする箇所「付帯部」をご紹介します。
今回は鉄部や木部と呼ばれる付帯部です。ご存知の通り、鉄は長年放置するとサビが発生したり、木は腐食やもっとひどいケースだとシロアリの被害に遭うことがあります。
範囲は小さくても、経年劣化の影響が全体に及ぼすこともあり得るので、塗替え工事の際には漏れなく塗装をする必要があります。
鉄部の種類
・雨戸/戸袋

雨戸本体と、雨戸を収納する戸袋の表面を塗装します。
雨溜りによるサビが発生していることがありますので、ケレン作業でサビをこそぎ落とします。
また全体的にケレンして細かい傷をつけることによって、塗料の密着性が増します。
ちなみにシャッター雨戸の場合は、シャッターを巻き取り格納するボックスの表面を塗装します。
・庇(ひさし)

庇は窓やドアの上に取り付けられている小さな屋根のような突き出し部分です。
日除け・雨除けの役割をもっています。
ガルバリウム鋼板が使用されている庇の場合、サビに強く耐久性が高い素材なので設置されてから当分は塗装の必要はありませんが、築年数が経過して色褪せやチョーキング(粉ふき)が発生しているなら塗装することで美観が回復します。
鉄庇はケレン・サビ止めといった下地処理をしっかり行なって塗装しますが、極端に傷んでいる状態であればガルバリウム鋼板への交換をおすすめします。
・水切り

雨水が建物内部に侵入するのを防ぐために取り付けられている金属の板を水切りといいます。写真のような外壁と基礎(土台)の境目や、1階屋根と2階外壁の接合部、窓枠の下など色々な場所に設置されています。
目立たない部分ですが重要な役割をもっていますので定期的なメンテナンスが必要です。破風や雨どいと同色で塗装することで全体に統一感をもった仕上がりになります。
土台水切りはチェックしやすい場所なので、何かあればすぐ相談ができますね。
・笠木(かさぎ)

ベランダやバルコニーの壁の一番上に取り付けられているカバー材を笠木といいます。
アルミ製やガルバリウム鋼板製であれば基本的には塗装は不要ですが、庇と同じく経年劣化が発生している場合は塗装することで美観回復が期待できます。
また、笠木の継ぎ目や笠木を固定しているネジの穴は塗装の要不要にかかわらず、しっかり確認して隙間がある場合はシーリングで埋める必要があります。ベランダ壁は雨漏り被害が発生することが多い箇所です。雨水の侵入に長年気づかず、下地からやり変え外壁の張替え、、、というケースは当社でも何度も経験しています。
極小でも隙間があったら、少なからず雨水が侵入していると見ていいでしょう。特に今のような梅雨時期は注意です。
木部の種類
木部の塗装に使用する塗料は、木材に浸透して内部から保護するタイプと木材の表面に膜を形成して保護するタイプがあります。現在の木部状態によって使い分けます。
・軒天

和風建築の住宅では軒天に木材が使われていることが多いです。意匠性が高く和風の雰囲気によく合いますが、湿気や紫外線に弱いため定期的なメンテナンスが必要です。写真の軒天は雨漏りが発生しているため塗装だけでは対応できず板や垂木(壁から垂直に伸びている細材)の交換が必要です。
・破風

破風、鼻隠しに木材が使用されている住宅も多いです。傷みやすい箇所なので、下地処理として既存塗膜の除去やパテ埋め処理などが必要です。その後、下塗り⇒中塗り⇒上塗りと仕上げていきます。
・ウッドデッキ/テラス

庭のエクステリアとして人気のウッドテラスは、洗濯物干しやアウトドアスペースとして活用されています。こちらも雨や湿気、紫外線の影響を受けやすいため定期的に塗装する必要があります。定期的にメンテナンスすることで、カビ・コケ・シロアリ被害・木材の反り・割れを長期に渡り予防することができます。
さいごに
主要な付帯部をご紹介させていただきました。この他にもまだまだ塗装範囲の付帯部は多くありますが、お見積りの際には住宅ごとに細部まで点検して最適なプランをご提案しております。
塗装範囲が多いと、その分どうしても塗装工事金額が大きくなってきます。しかし、劣化による損壊やシロアリ被害に発展すると修繕には更に多くのコストがかかってしまいますので、傷みが小さいうちに、できれば傷みが発生する前にメンテナンスをご検討いただければ幸いです。
塗装で対応可能なうちが一番安上がりかもしれません。
最後まで読んでいただきありがとうございました☺️

