塗替え工事といえば、まず外壁塗装をイメージされる方が多いかと思われます。
ご近所で塗り替えたお家を見て、”お、変わったな”と、ぱっと目に付くのは外壁ですね。
外壁はお家の顔となる部分なのでもちろん大切ですが、それと同じくらい、もしくはそれ以上に重要なのが屋根塗装なんです。
屋根は外壁より見えにくく、立地によってはまったく見えないということもありますので塗替え後もあんまり目立ちません。なので、もしかしたらお住まいの方にとっても意識しづらい部分ではないでしょうか。
この重要なのに目立たない屋根が、普段どんな過酷な環境に晒されているかというと・・・
屋根は最前線の守り

・紫外線
太陽からの紫外線は年中降り注いでいます。
屋根は紫外線から建物構造の劣化を防いでくれています。しかし屋根自体も紫外線により劣化するため、定期的なメンテナンスが必要になります。
屋根が劣化すると外壁と同じように色あせやチョーキング(粉ふき現象)が発生します。
・雨
雨水や雪など、あらゆる水分が建物内部へ侵入するのを防いでいます。
・温度
外部の厳しい暑さ寒さから、室内の温度を安定させて快適な居住空間を保たせています。
このような過酷な自然環境から、お家を真っ先に守ってくれるのが屋根です。
屋根は外壁より早く劣化する

最前線の守りを担っているがゆえ、真っ先にダメージを受けるのも屋根です。
直射日光は太陽と面と向かって受け続け、雨水はずっと当たり、雪が降れば積もります。
紫外線は塗料の膜を劣化させる最大の要因であり、色あせやチョーキング(表面の粉ふき現象)が発生します。
また、雨が降れば少なからず水分が侵食しますし、冬場は積雪や凍結が繰り返されて屋根が傷んでいきます。
このように屋根は、1年通して1日も休まる暇がありません。そのため一般的な外壁塗装の耐用年数が10~15年といわれているのに対して、屋根は8年~10年と短く、より定期的なメンテナンスが必要とされています。
屋根の塗料選び

どんな塗料を用いて屋根を塗装するかは、家の性能やメンテナンスサイクルを大きく左右する重要なポイントです。
決め手はやはり価格と耐久性でしょう。 ※耐久年数は自社基準
・ウレタン塗料 価格:安価 耐久性:低い(~5年)
ひと昔前の主流でしたが現在は最低でもシリコン塗料から選ばれています。業者側も積極的には提案しません。
・シリコン塗料 価格:普通 耐久性:普通(~8年)
価格と耐久性のバランスがよく現在最も人気です。
・フッソ塗料 価格:高価 耐久性:高い(~10年)
高価格帯なりの耐久性がありますが、優位性は無機塗料に譲ります。
・無機塗料 価格:やや高価 耐久性:高い(~10年)
次世代型塗料で、選ばれる方が増えてきています。価格はやや高いですが、コスパの観点からは非常に高いです。
塗料の種類を大きく分けるとこのようになります。低価格塗料だと1回の工事代金は安く抑えられますが、塗替え回数が増えるとトータルでは高くつくことになります。単純な金額比べより、費用対効果(コスパ)が重要な要素になってきている現代です。
また、これらに付加性能としてラジカル制御や遮熱性能がついた塗料が人気です。
ラジカル制御型塗料は、塗膜の劣化を遅らせて長持ちさせることができます。
遮熱塗料は、塗膜が太陽光を反射させることで表面温度の上昇を防ぐとともに建物内部に熱を伝えにくくしてくれます。
長崎県でも例外なく異常気象レベルの猛暑日が続いている昨今、せっかく塗り替えるならこれらの付加性能をもった塗料をおすすめします☀️
屋根は確認が難しい だからこそ

前述のとおり、屋根は常に過酷な環境に晒されています。なので出来るだけ定期的に健康度をチェックしてあげる必要があります。しかし屋根は高い位置にあるため目視での確認が非常に難しいのが実情です。
お住まいの方がハシゴを架けて屋根に登る、、、なんて想像するだけでも怖いので絶対やめてくださいね。じゃあどうすればいいんだよって話なんですが、目安として前回の塗替え工事からある程度年数が経過していれば、ほとんどのお家では屋根塗装が必要な状態になっています。外壁に色あせやチョーキングが発生しているのに、屋根は何事もなく無事、というのは、屋根のみ塗装したケース以外で見たことがありません。
状態の確認については私たちのような業者に任せてください。しかし、1社のみの言うことを鵜呑みにするのもおすすめしませんので相見積りを3社ほどから取るのが良いでしょう。というのも屋根は状態が確認しにくいために、大袈裟に伝えて不安を煽って契約を取るケースがまぁまぁ多いです。
必要以上に不安を煽る業者が提示する工事代金は往々にして高額です。
実際に塗替え時を迎えており更に瓦が欠損していたり板金が歪んでいたとして、その状態を放置することはいけませんが、焦ってその場で契約することではありません。
各業者の見解や工法、価格を冷静に比較して検討することを強く強くおすすめいたします。


