塗装工事というと、塗料の種類やグレード、見積り金額に目がいきがちです。
もちろんそれらも大切ですが、実は工事の内容や提案プランの精度は、現地調査の段階でかなり変わってくるものです。
現地調査は、単に数量を計測して見積り金額を出すためだけの作業ではありません。
住宅の状態を確認し、”どんな工事が必要なのか”を考える、とても大切な工程のひとつです。
現地調査では住宅全体を確認しています

当社でも現地調査にはしっかり時間をかけています。
外壁だけを軽く見て終わりではなく、付帯部やシーリング、雨どい、ベランダまわりなど、住宅全体の状態を確認しながら、各部の写真撮影や計測を行なっています。
また、住宅の図面をお持ちの場合は、見せていただけると非常に助かります。図面があることで、面積や数量などをより正確に把握しやすくなるためです。
ただ、図面を確認したうえでも、あらためて計測や状態確認を行なっています。実際の住宅では、図面からではわからない劣化や現状との違いが見つかることもあるためです。
実際に確認してみると、
・シーリングの劣化
・付帯部の塗膜はく離
・雨どいの劣化(塗装可能か交換必要かなど)
・ベランダ防水の傷み
など、各部の劣化が見つかることが多いです。
そのため、現地調査にはある程度お時間をいただくことがあります。長い時間敷地内で調査作業をしていると、ご負担や煩わしさを感じさせてしまうこともあるかもしれませんが、あとから追加工事が発生したり、見落としによって工事内容を変更したりすることは、できるだけ避けたいものです。
現地調査の段階でそれらを防げるのであれば、お時間をいただいてでも丁寧に確認する価値はあると考えています。
屋根も写真を撮り、状態を確認しています

屋根は普段なかなか見る機会がありません。
さらに屋根は、住宅の中でも特に紫外線や雨風の影響を受けやすく、劣化が進みやすい箇所でもあります。
そのため現地調査時には、スマホと伸ばし棒を使って屋根の写真も撮影し、その場でお客様にも現在の状態を確認していただくことがあります。
実際に確認してみると、「傷みが少なくしっかりしていた」と安心することも多いのですが、中にはやはり、「思っていたより傷んでいた」「瓦が割れていた」「前回の塗膜が剥がれていた」など、地上からでは分からなかった状態が見つかることもあります。
また、屋根の状態によっては塗装では対応が難しいケースもあります。劣化の状況次第では葺き替え工事やカバー工法などをご検討いただいたほうが良い場合もあり、その場合は塗装工事よりも費用が大きく変わってきます。
だからこそ、できるだけ早い段階で現状を把握し、工事の方向性を整理することが大切だと考えています。
また、屋根は見えない場所だからこそ、不安につけ込まれやすい部分でもあります。
実際には必要以上に不安を煽られてしまうケースもあるため、屋根に関しては特に、相見積りなどで複数社の見解を確認することも大切だと思います。
写真で実際の状態を共有することで、お客様自身にも現状を把握していただきやすくなります。
状態確認によって、提案内容も変わってきます
住宅の状態をしっかり把握できると、
・必要な補修内容
・使用する塗料
・工事の進め方
なども、より現状に合ったご提案がしやすくなります。
同じ「塗装工事」でも、住宅の状態によって必要な施工内容は変わります。だからこそ、現地調査の段階でどこまで細かく確認するかは、とても重要なんです。
例えば、現在は無機塗料や遮熱塗料など、高性能な塗料を選ばれる方も増えています。
もちろん性能面で優れた塗料ではありますが、単に「おすすめされたから」「良さそうだから」という理由だけで選ぶよりも、
現在こういう劣化が起きている⇒立地や環境条件が影響している可能性がある⇒それに対して、この塗料や工法が合っている という流れで検討していくことで、より納得感のある工事につながると考えています。
実際の状態を確認しているからこそ、当社としても現実的で無理のないご提案がしやすくなりますし、お客様側も「なぜこのプランか」を理解したうえで検討しやすくなります。
塗料の性能や価格だけを見るのではなく、その住宅に合っているかという視点も大切です。
現地調査への個人的な考え方
現地調査の進め方や考え方は、会社や担当者によってそれぞれ違うと思います。
以前にお客様から、
「この前の業者さんは外観見て10分くらいで帰ったよ」
というお話を伺ったことがあります。
もちろん、短時間だから悪い、長時間だから良い、という単純な話ではありません。
図面があるにもかかわらずあらためて計測を行なうことは非効率ですし、私自身、同じ場所を何度も確認したりと決して要領の良い進め方ではないかもしれません。
ただ、その場でしかわからない状態や工事内容の決定にかかわる部分を、できるだけ取りこぼさず会社や職人全体と共有して、工事を成功させたいという思いがあります。
本来であれば、『短時間で重要箇所をひとつも見落とさない現地調査』が理想ではありますが、、笑
日々たくさんのご相談をいただいておりますので、これからも精進していきたいと思います。


