『訪問営業にはご注意ください。』
塗装工事や屋根工事を検討されている方であれば、一度は目にしたことがある言葉ですね。
当ブログでも何度か取り上げていますし、他店様のブログやテレビ、ネット記事でも注意喚起を見かける機会は少なくありません。
なんなら私なんて以前のブログタイトルにしてました。
そのため、
『もうわかったよ!気をつけてるよ!』
という声が聞こえてきそうな気もします。
正直なところ、私自身も「またその話か」と思われるだろうなと思いながらこの記事を書いています。
それでも時々こうした話題に触れたくなるのは、今でも同じようなご相談をいただくことがあるからです。
もちろん、訪問営業そのものを否定しているわけではありません。
どのようなきっかけであれ、お住まいの状態を気にかけること自体は悪いことではありませんからね。
ただ、工事の必要性や提案内容については、その場の雰囲気で判断するのではなく、一度冷静に検討していただきたいという気持ちはあります。
さて、訪問営業と聞くと様々なパターンがありますが、その中でも昔からよく耳にするのがこんな切り口です。
『近所で工事をしていて、お宅の屋根が見えたんですが……』
この後に、
『屋根の板金が歪んで浮いてしまっています』
『瓦がずれている(割れている)ようです』
などと続きます。
身構えてしまいますが、実はこれ、全く根拠のない話とも言い切れません。
屋根の工事をしていると、近隣の住宅の屋根が見えることはあります。
私自身も屋根に上っているとき、
『あら、しばらく手入れをしていないのかな』と思うお家を目にすることがあります。
ただ、私たちはそこで見えたお家に行って営業をかけることはありません。
例えば屋根瓦が全部ひっくり返っていて住人の方がまだ気づいていないような状態なら話は別で、さすがにお声掛けをする案件ですがそこまで極端なケースはそうそうありません。
度合いはあれど、ある程度築年数が経過した住宅の屋根に多少の劣化や不具合が発生しているのは当然のことです。
今まさに工事を任せていただいているお客様を差し置いてまで気にすることではないと思っています。

気になるのは”営業”ではなく”よそ見”
繰り返しになりますが、訪問営業活動を否定したいわけではありません。
ただ、
『いま、自分が上っている屋根よりも他のお家の屋根のほうに興味を持っていかれるものだろうか?』
このことに、以前から引っかかっていました。
屋根の上というのは、慣れているとはいえ決して安全な場所ではありません。足元に注意を払いながら住宅の状態を確認し、作業を進めていきます。
また、お客様へ自信を持ってお引渡しできる仕上がりを目指すためには、
・劣化箇所の見落としはないか
・補修が必要な部分はないか
・塗り残しはないか
・仕上がりにムラはないか
など、気にかけるべきことがたくさんあります。
正直なところ、近所の屋根を眺めている余裕があったら、もう一度自分の足元を見るべきだと考えています。
もちろん、周囲の状況が目に入ることはあります。
むしろ屋根工事や塗装工事を行なう以上、周囲にも気を配りながら作業を進めなければなりません。
よそのお家の不具合を見つけるくらい、広い視野を持つこと自体は悪いことではないでしょうが、その視野はいま自分が上っている屋根のために使いたい。
お客様からお預かりした大切なお住まいですから、少しでも良い状態でお引渡ししたい、という気持ちのほうが強いのです。
安全面と品質面においても
屋根の上というのは不安定な場所です。
少し注意が散漫になるだけでも危険が伴います。
また、お客様からお金をいただいて工事をしている以上、
「これで大丈夫だろう」
ではなく、
「本当に大丈夫だろうか」
と確認し続けることも大切だと思っています。
自信を持ってお引渡しできる仕上がりを目指すためには、よそ見をせず、目の前の作業に集中することが必要です。
それが、安全面でも品質面でも、お客様に対して誠実な姿勢だと思っています。
近隣の方との関わりはとても大切
誤解のないようにお伝えすると、私たちは近隣の方との接点そのものを否定したいわけではありません。
工事を進めるうえで、近隣の皆さまへの配慮は必須だと考えています。
着工前のご挨拶。
足場工事や高圧洗浄など、騒音を伴う作業前のお声掛け。
工事完了後のご協力へのお礼。
こうしたコミュニケーションは、当社でも大切にしていることのひとつです。
実際、工事期間中はお客様だけでなく近隣の方にも少なからずご不便をおかけします。
だからこそ、きちんと顔を合わせてご挨拶をし、必要なことをお伝えする。そうした関係づくりは大切にしたいと思っています。
営業よりも、仕事ぶりを見ていただきたい
工事中に近隣の方からお声掛けいただいたり、後日お見積りのご依頼をいただいたりすることもあります。
私たちとしては、とても嬉しいことです。
近隣の方にとっても、
・どんな職人が来ているのか
・どのような仕事をしているのか
・どんな仕上がりになるのか
を実際に見ることができます。
塗装工事は決して安い買い物ではありません。
まったく情報がない状態で業者を選ぶのは、ある意味では賭けのような部分もあります。
その点、近所で施工している様子を見ることができれば、安心材料のひとつになると思います。
だからこそ私は、機会があるならば営業トークよりも実際の仕事ぶりを見ていただきたいと思っています。
現場の整理整頓や職人の振る舞い、仕上がりそのもの。
そうした部分を見ていただいた結果、
「うちもお願いしてみようかな」
と思っていただけるのであれば、とてもありがたいことです。
まとめ
この仕事に携わっている以上、近隣のお家が気にならないわけはありません。
私だって、お節介にも
『そろそろ手を入れたほうがいいんじゃないかな』
と思うことはあります。
ただ、そのたびに『意識を向けるべきは、いまお預かりしているこのお家だ』と気持ちを切り替えています。
よそ見をしない。
それは近隣のお家に興味がないからではなく、目の前のお客様に集中したいからです。
気になるお家を見つけても、
「うちじゃなくてもいいから、早めになんとかしてもらってね」
と、心の中で念を送るだけにとどめています。
私自身、もし工事を依頼する立場だったら、目の前の仕事に一生懸命な業者さんにお願いしたいと思います。
念が届いた皆さまへ。
ご縁がありましたら、ぜひ。


