
↑このようなスレート屋根の塗装にあたり、とても重要な工程があります。『縁切り』といわれる作業です。
スレート屋根の塗装では、屋根材同士の重なり部分に”すき間”を作る必要があります。この、すき間をつくる作業を「縁切り」といいます。
塗装をすると、この重なり部分が塗料でくっついてしまい、本来あるべきすき間が塞がってしまうことがあります。
では、なぜそのすき間が必要なのでしょうか。
理由は単純で、雨水の逃げ道を確保するためです。
雨水はどうしても屋根の内部に入り込みます。その水がきちんと抜ける構造になっているのですが、すき間が塞がることで水の逃げ場がなくなってしまいます。
すると、屋根の重なり部分に水が溜まりっぱなしになり屋根材を劣化させていきます。さらに長年放置すると、下地の劣化や雨漏りの原因につながってしまうこともあります。

怖いのは、こういった不具合はすぐに出ないという点です。
塗装直後は見た目もきれいなので問題がないように見えますが、数年後にトラブルとして表に出てくるケースも少なくありません。
これらを防ぐために使われるのが「タスペーサー」という部材です。

小さなプラスチックの板状の部材で、屋根材の重なり部分に等間隔に差し込むことで、適切なすき間を確保するためのものです。
従来はカッターなどを使用して手作業の縁切りを行なっていましたが、現在はこのタスペーサー差込工法が主流になっています。(どちらにしても手作業ですが)
均一にすき間を確保できるため、施工の安定性も高くなります。
この縁切りという工程やタスペーサーは、完成後には非常に目立たない存在です。地上から屋根を見上げても、ほとんど確認できません。

そのため、工事内容に含まれていなかったり、説明が省略されてしまうこともあるのが実情です。
ご自宅がスレート屋根の場合は、見積り項目に含まれているかチェックしたいポイントです。
見積書に明記されていない場合は、「屋根の縁切りはどうやって行ないますか?」と一度確認してみるのもおすすめです。
見えない部分の処理までしっかり行なわれているかどうかは、工事の品質に大きく関わってきます。
塗装をするからには、見た目をキレイにすることはもちろん大切ですが、長く安心して住み続けていただくためにはこうした”中の処理”も同じくらい重要です。
普段見えない部分だからこそ、丁寧な施工が必要なんです。


